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頭に病気が生じて起こる頭痛

頭痛の中には頭に何らかの病気が生じて起こる頭痛があります。 この頭痛の中には命にかかわる頭痛が存在することがあります。 その代表選手にくも膜下出血があります。

以下に代表的な病気についてあげてみます。

くも膜下出血

脳卒中の一つで死亡率の高い病気です。 脳梗塞や脳出血などの起こりやすい年齢より若い、40~50歳代の働き盛りに起こりやすく、 頭痛の特徴は「これまで経験したことがないような突然の強い頭痛」です。 直後であればCT検査でほぼ確実に診断できます。 意識がなくなることが多いですが、たまに外来へ歩いてこられる方もおられます。 くも膜下出血の多くは脳動脈瘤の破裂がその原因です。 再破裂を防ぐために手術(脳動脈瘤クリッピング術)をすることになりますが、最近は血管内手術も行われます。

慢性硬膜下血腫

頭の軽いケガのあと1ヶ月くらいしてから起こってきます。 認知症が前面に出ることもあります。

側頭動脈炎

こめかみが痛くなります。 失明することもあります。

髄膜炎

高い熱、けいれんなどが一緒に出ます。

副鼻腔炎

一般に蓄膿とよばれる病気で、前頭部や眉間などを中心に頭痛が起こります。 片頭痛の人は軽い副鼻腔炎の炎症で頭痛が悪化することがあります。

低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)

最近話題の病気ですので、少し詳しく述べます。

この病気は「横になると頭痛が楽になる」というのがもっとも中心となる症状です。 10分から15分くらい座っていたり立っていたりすると、 脳の中にある水(髄液)の圧が下がってくるために頭が痛くなってくる(起立性頭痛といいます)。 それで横になると楽になる。 このような症状があります。 国際頭痛分類では座位または立位をとると15分以内に増強する頭痛というふうに、定義されています。

診断は、髄液圧(腰から針を刺して調べます)を測定して、髄液圧が下がっていることを確認します。 交通事故などの「むちうち症状」がずっと長期間にわたって続いているときに、この病気であることがあります。 これまでずっと「むちうち」といわれてきた人のなかにこの病気であることが診断されることがあり、話題になっています。 学会でもトピックスとして取り上げられております。

治療は、硬膜外ブラッドパッチ療法(背中から脊髄の硬膜外腔に自分の血液を注入します)が有効な方が多いのです。

現在、医療者間でも混乱が見られるのが「脳脊髄液減少症」という言葉です。 「低髄液圧症候群」と同じものとして扱っている医療者もあれば、 「脳脊髄液減少症」は髄液量は少ないが髄液圧そのものは低くはないという点で、 厳密には「低髄液圧症候群」と同じものではない、という研究者もいます。 ここでは髄液が漏れるために起こる起立性頭痛という点で共通しており、ほとんど同じものとして話を進めています。

ヘルペス

帯状疱疹が頭皮にできて頭痛を生じることがあります。

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