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毎日のように起こる頭痛(慢性連日性頭痛)
慢性頭痛にはいろいろな種類の頭痛があります。 片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、頭部神経痛、薬物乱用頭痛など、様々な頭痛があります。 ここでは特に、頭痛の起こる回数の多い、しかも大切な頭痛がありますのでその頭痛について記します。
慢性頭痛の中には毎日のように起こる、回数の多い頭痛があります。 そのような頭痛を慢性連日性頭痛といいます。
その頭痛の起こる頻度は
- 1ヶ月のうち15日以上、つまり半分以上頭痛が続く
- 頭痛は1日に4時間以上続いている
こんな頭痛を「慢性連日性頭痛」と、とりあえずは診断します。
少し専門的になりますが、「慢性連日性頭痛」というのは上記のように頭痛回数の多い頭痛の総称であり、 その中にはいろいろな種類の頭痛が含まれているものなので、 厳密には「慢性連日性頭痛」という個別の名のついた頭痛はありません。 しかし回数の多い頭痛は重要なので、「慢性連日性頭痛」としてまとめると便利なのです。 このような頭痛の中で患者さんにとって大切な点をピックアップしてみたいと思います。
まず知っていただきたいことは、慢性連日性頭痛の患者さんは、 最初の頭痛が始まったころは、ほとんどの方は頭痛の回数は多くはなかった、という点です。
頭痛に対してお薬をどんどん服用しているうちに、だんだん頭痛のパターンが変わってきて、 頭痛の回数が増えてくる、ということが生じるのです。 そしてこの慢性連日性頭痛になると、そのもともとの頭痛の診断が大変に難しくなってしまい、 医師を悩ませてしまうことがあります。 最初の頭痛回数の多くなかったころは、 はっきりと典型的な片頭痛、あるいは緊張型頭痛と診断をつけることができたのに、 慢性連日性頭痛の状態になると、頭痛の症状も複雑に変わってしまい、 もともとの頭痛の診断が難しくなります。 そして頭痛の治療もまた、さらに難しくなるのです。
薬物乱用頭痛
慢性連日性頭痛はこのように、多くの方はお薬の乱用によって生じているのです。 お薬の飲み方には関係しない慢性連日性頭痛も実際にはありますが、 お薬を飲みすぎることによってこの頭痛は生じることが多いのだ、ということを 皆さまには是非知っておいていただきたいと思います。
このように薬の飲みすぎが原因で、起こる回数が多くなってしまった頭痛をとくに 「薬物乱用頭痛」といいます。 初めて病院を訪れたときには、市販の鎮痛薬の連用のために、すでに「薬物乱用頭痛」の状態になっている方もあります。 頭痛の回数が多くなってきた方は、頭痛がこじれてしまわないうちに、医師の指示のもとに薬を飲み、 頭痛を上手にコントロールすることが大切なことなのです。
梅ノ辻クリニックで使用している頭痛ダイアリーは、 頭痛の正確な診断をするうえでも重要な役割を果たします。 このダイアリーをもとにして、私たちとともに頭痛治療に立ち向かってゆきましょう。